第2回自動車殿堂表彰式典の開催を心からお祝い申し上げます。

　そしてこの度、自動車殿堂入りされました皆様には、誠におめでたく心よりお喜び申し上げます。

　私は、戦後間もなく「輸入を一生懸命続ければ、必ず輸出が伸びる」と言う信念のもと、輸入車の普及に努めてまいりましたところ、図らずも第１回自動車殿堂に選出される栄に浴しました。身に余るこの栄誉はひとえに関係者各位の永年に亘るご支援ご高導の賜物と今でも深く感謝しております。

　本殿堂の創設趣旨は、日本の自動車産業や学術あるいは文化の発展に寄与した人々の名を後世に伝承していくことにより、日本の将来を担う青少年達に夢と希望そして大いなる目標と創造性を育むことにあります。

　今日の日本の自動車産業がどのような努力と苦労に支えられて来たか、先駆者達の功績を一同に集め、その意義を後世に伝えて行くことは次世代の人々に対しましても刺激を与え、更なる意欲をかき立てる意味でこれからの産業発展に大いに役立つものと確信致します。

　そして、この自動車殿堂は現在第一線にある方には誠に励みとなるものであります。自動車に関係した産業や仕事は数多くありますので、今後とも幅広い分野からお選び頂くことをお願い申し上げる次第でございます。そして、技術立国と呼ばれる我国にあって、その未来を担う青少年達が技術や創造性の大切さ、発明や工夫の面白さを認識するためにも、今後とも日本自動車殿堂の趣旨が広く浸透し、益々ご発展されんことをお祈り申し上げます。
（2002年『JAHFA No.2』収録）